相続・遺言など、いわゆる「終活」に対する関心は年々高まり、書店には多くの書籍が並び、雑誌でも特集記事として取り上げられています。
高齢者人口の増加と共に、相続をめぐるトラブルが増加ないし顕在化してきたことが、終活への関心を後押ししているのではないかと思います。
1.遺言書は必要?
「相続をめぐる『争族』を避けるため」にも遺言書を作成した方が良いと言えます。更に、日本では、相続財産に土地・家屋(つまり「ご自宅」)が占める割合が高く、これらは容易に分割でないことから、不動産をめぐり親族間で揉める原因にもなり得ます。不動産を所有している場合も、遺言書の作成を検討すべきでしょう。
一般に、以下の場合は遺言書の作成が望ましいと考えられます。
- 夫婦間に子供がいない場合
- 相続人以外でお世話になった方に財産の一部をあげたい場合
- 特定の子供に事業を継がせたい場合
- 相続人の間で争いが予想される場合(例:息子達が不仲)
2.遺言書を残した方がよいとは思うけど…
しかし、もしもに備えることは非常に重要であると理解していても、相続や遺言について調べれば調べるほど、難解・複雑に感じることも多いのではないかと思います。
また、「専門家に相談すること」、更に「公正証書遺言を作成すると共に、任意後見契約、財産管理委任契約/家族信託、死後事務委任契約を加えること」が望ましいことを解っていても、特に費用面で躊躇してしまうこともあるでしょう。
だからこそ、終活の第一歩としてエンディングノートの活用をお勧め致します。
- 総人口に占める高齢者人口の割合は28.1%と、過去最高。(総務省統計局)
- 平成29年度における遺産分割事件数は12166件、平成19年度の9800件に比べて24%増加。また、弁護士の関与については、平成19年度が5955件であったのに対し、平成29年度は9566件となり、10年間で60%も増加。(裁判所司法統計)
- 平成28年度における相続財産に占める土地・家屋の割合は43.5%(内訳:土地38.0%、建物5.5%)。(国税庁)
3.エンディングノート活用の利点
多くのエンディングノートには、終活に備えて整理しなければならない項目が既に列挙されているので、記入するだけで自分の終活に必要な情報がまとめられます。これら基礎情報は、後の遺言書作成、更には任意後見契約、財産管理委任契約/家族信託、死後事務委任契約などを検討する上で、大いに役立ちます。なにより、自分と向き合い、残りの人生をどのように過ごしたいのか考える素晴らしい切掛けとなるでしょう。
民法が改正され、既に自筆証書遺言に添える財産目録の作成が手書きでなくてもよくなりました。また、法務局に自筆証書遺言を預けることができるようになりました。まさに政府が遺言書の作成を後押ししていると言えるでしょう。自筆証書遺言の作成を見据え、是非「エンディングノート」をご活用頂きたいと思います。

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